A COMMON BEAT 〜台風一過の日和山と文化の個性を生かすということ〜




人々はお互いに他の大陸の存在を知らずに、
独自の文化に根ざした彩り豊かな歌や踊りを楽しんでいました。

しかしあるとき、一人が他の大陸の存在に気がついて・・・
 (A COMMON BEAT公式サイトより)




 こんばんは! いつも見に来てくれてありがとう。

 今回は、いつもの日和山の日常事件簿に、絆マラソンのご報告、それから前回日和山の体操に飛び入り参加してくれた太陽プロジェクトとのメンバーの面々と、愛知のK青年のその後のご報告、彼らが届けてくれた写真をアップしたいと思う。ぜひ最後までお付き合いいただければ幸いである。

 まずは絆マラソンから。
 




 小雨・・ というよりは時々激しさを増す雨が降り続く中、石巻専修大学に到着。7月29日の日曜日、三陸河北新報社が主催した「石巻圏 元気つなごう 絆フェスティバル」の駅伝とマラソンが開催された。



 雨ガッパ(お気に入りのモンベルのゴアテックス)を着て会場到着。予定より遅れて、8時半過ぎに受付が始まった。

 実は、私、てっきり中止かと思っていたのである。朝出かけに、ホテルの玄関口で、ゴルフに出かける途中の所長にばったり出会った際も、「中止だと思いますがとりあえず行くだけ行ってみます」などとほざいていたのである。とんでもない。やる気満々のマラソンウェア(しかもみんなかっこいい、おしゃれな方ばかりだ)の面々がぞろぞろ集まって来る。これは困った。心の準備ができていない。大慌てで気持ちを切り替えて、10キロマラソンの受付途中で言葉を交わした女子3名と共にテンションをあげて開会式へ。




 写真はゲストの増田明美さん。後ろは石巻市の市長亀山氏、協賛の東北電力、漁業組合の方々等がいらっしゃった。




 増田明美さんおすすめのおらほのラジオ体操。石巻弁が楽しい!





ラジオ石巻も中継中



 縁あって10キロマラソンをご一緒することになったお二人。マラソン大会、10kmを走るのは初めてだという。「まるで導かれたみたいだ」と神妙に話していたのが印象深い中央のN氏とM氏、その節は大変お世話になりました。おかげで楽しかった!





 スタート直前。女子3人とスマイルツリーのボランティアメンバーS氏と。
 


 天気はいまいちだが、増田さんによると、これくらいの天候が一番マラソンに向いているのだとか。
 確かに暑さで体力を奪われることもなく、走りやすかった!

 


 新婚のお二人さん。カメラを向けると満面の笑み。さすが幸せな方は違う。




 駅伝の面々。仮装大会?と見間違うほどの楽しい格好で走り抜けていく。




 通り過ぎる方とハイタッチで。





 障害を持つ娘さんと伴走するように共に走るお母さん。笑顔で手を取り合う様子が心を打たれる。がんばれ!と声をかけるが、励まされるのは逆にこちらの方だ。




 後半ずっと一緒に走ってくれた・・ う〜ん、名前を聞いたはずなのに忘れてしまった。ごめんなさい。後半は、マラソンが80分以内でゴールしなければ失格となるため、多少焦りがあった。私は時計を忘れ、雨でiPhoneの文字(時刻表時)もよく見えないというだめっぷり。そんな中で精神的にリードしてくれた彼女。「この分だと大丈夫ですね」という落ち着いた口調でずいぶん救われた。石巻が職場だと言っていたが、ぜひ今度お食事をご一緒したいものである。





 ゴール後の記念撮影。605番のお父さんは、マラソン大会のベテランさん。全国のマラソン大会に出たくて、お小遣い稼ぎのアルバイトをしているとお話しされていた。
 今回初めて参加してみて、気持ちがよくわかった。うん、これは楽しいかもしれない!
 ゴールも感動、出会いも感動。爽快感と言ったらない。また走っているときの、あの誰かを励ましたり、沿道から励まされたりがたまらない。今回は折り返し地点が開成団地だったため、仮設住宅にお住まいの方々がわざわざ出て来てくれて、雨の中を懸命に応援してくれた。
 ありがたかった! これは多少の犠牲を払っても、参加費を稼ぎたくなると思う。
 パワーを頂戴した。私も、明日からまたがんばって働こう、と思ったものだ。




 完走証を持ってハイチーズ。



 なんとマラソン後は飲食ブースでホヤホタテのバター焼き、脂ののった鮭の焼き魚が無料で振る舞われた。漁業組合様か?! う〜ん、太っ腹。美味しかった! ごちそうさまでした。
 それとは別で、参加者には500円分の無料飲食券が支給された。貴重な500円は何に使おうか、石巻焼きそばにしようかとさんざん悩んで、最終的に地元企業と専修大学が共同開発したというサバだしラーメンに。(写真下)




石巻専修大学石原ゼミと飯野川商店街、山徳平塚水産、島金商店、
舟形アグリが連携して開発した「石巻・飯野川発サバだしラーメン」

 そもそもサバだしラーメンは石巻市飯野川地区に伝わる料理にサバだしをつかう食文化を生かしたラーメンだ。今回地元企業と専修大学とが共同開発して、あらためて商品化をした。そのお味は、というと、何とも食べ応えがある。魚好きにはたまらない。サバの身がガッツリ入っていている。三陸産サバ味のスープもあっさりとおいしい。ラーメンというと豚骨や鶏ガラでだしを取るのが普通だと思い込んでいたが、いや、サバというのも案外いいものだ。お魚味の新感覚のラーメンですっかり体も温まった。こちらもごちそうさまでした! 

 ※N氏、S氏お写真のご提供をどうもありがとうございました!


 あー楽しかった!「絆フェス」、弟2回があるかどうかわからないが、もしあったら、またぜひ出たいものだ。
 また、よし、これを機にマラソンがんばるぞ、と思ったものの、その後マラソンの練習をほとんど全くしていない私。今記事を書いていて猛反省だ。今度こそこの気持ちを忘れないうちに、次は10kmを1時間切れって走れるように、がんばって練習していこうと思う。
 







 マラソン大会も終わって梅雨時の石巻。先週はさくら交通バスで帰省して梅雨時の石巻の写真を日本橋のギャラリーに出品した。


 ・ギャラリーツープラス 水と光と雲の写真展(※)

 ※光、水、雲をテーマにした15名のグループ展だ。Facebookの友人に誘われて初めて参加させていただいた。

小田急新宿駅

 納品にあわせて帰省した私。1日猫と遊んでから、翌日曜日。ギャラリーツープラスさんへと向かう。ギャラリーがあるのは日本橋。東京駅八重洲北口から徒歩5分だ。ちょうどいい。東京駅から新幹線に乗って石巻へ帰ろう。
 で、神奈川から東京駅に行くときはいつも田園都市線から地下鉄で大手町に向かっている私。今回も大手町からアクセスすることにした。

 大手町は日本のど真ん中、千代田区の官庁街・オフィス街だ。日本の大企業のオフィスビルが連なっている。のんびりビル巡りでもしたかったが、今回は時間がないのでさっくりと通り過ぎる。多分もったいないことをしているんだろうなぁ。


永代通りをふらり歩いて

新大手町ビル

最近話題のパソナの東京本社ビル

丸の内トラストタワー その前は何やら開発工事中

一本裏の路地に入ると懐かしい建物が

外堀通りから日本橋へ向かうと
すぐにギャラリーツープラスさんが現れる(左手)

 13時の納品にあわせてやってきた、が、途中相棒もどきのグレゴリーを地下鉄に置き忘れるというアクシデントがあり大幅に遅刻して地下にあるギャラリーツープラスさんに入った。が、そのおかげで? いいこともあるもので、貴重な方々にお会いすることができた。

 写真下は、今回の作品展をプロデュースした田中イソラさん。
 


 同じく共同プロデューサーの加藤はるまささん。ギャラリーツープラス代表。




 私の作品の前で。




 自分の作品が飾られると、やはり何とはなしに嬉しかった。こういう作品展に参加すること自体が初めてだ。いい経験をさせていただいた。また、プロデューサーの田中イソラさんや、ほかの方々の写真がドラマチックで斬新な写真ばかり、すてきな写真をたくさん見せていただいて、よい刺激となった。こちらもマラソン同様、更なるレベルアップを目指してがんばっていきたいと思う。

 空と水と雲の写真展は7月19日まで。東京駅で時間が余ったら、ぜひふらりとお立ち寄りいただけると幸いである。




水と光と雲の写真展 ギャラリーツープラス

7月7日(月)~19日(土) ※火曜お休み
12:00~18:00 最終日16:00まで




 東京駅から仙台へ。写真上は停車中の山形新幹線つばさ号。3月から新デザインになって何かと話題が多いつばさ号。停車中の機体を若い男子や女子を始めとした乗客たちが両サイドのホームから次々と写真に収めていく。ちなみに、こちらは旧来のデザインだが、つばさ模様がかわいらしかった。

 ・山形新幹線つばさ新デザインへ


 私が乗ったのも、(はやぶさに乗り損ねて)つばさとやまびこが合体した新幹線。でもやまびこ部分はやはり人気がないよう。カメラを向ける人はいなかった。




 写真下は特製元気みやぎ弁当。東京駅の駅弁ショップで、地元の応援をしようと、即買いした。食材王国宮城が誇る、宮城の美味しい食をふんだんに盛り込んだという特製の駅弁当。いかにも美味しそう。宮城の海の幸と山の幸がぎっしり入っている。大崎産ひとめぼれご飯に、牛タン、笹かま、ずんだ餅もナイス。やまびこの車内でゆっくりたべさせていただいた。

 ちなみに、これを食べていると、ああ、また宮城に向かっているんだなと妙に懐かしいような気分にさせられた。(笹かまのせいかな? 石巻についてすぐに食したのが笹かまだったから)とりあえず美味しかった! またまたごちそうさまでした!

 ・元気みやぎ弁当




 で、あじさい咲く石巻に戻って来た。




 日和山の鹿嶋御児神社には七夕の笹と短冊が飾られていた。




 「震災で世界、日本中の人々から支援を受けました。そのお返しはいつか誰かに返さなければといつも心がけています」(日和山体操のメンバーS社長の短冊より)




 S社長が若いとき教わり身につけたという信条。恩返しは恩を受けたひと本人にするもののではなくて、いつか返せるときにほかの誰かに返してもいい。ということ。そうすると、ある誰かのよい行いが別の誰かによってまた行われて、良い行い自体が世界中に広まっていくという考え方。多分そのことから言っているのだと思うが、確かに、日本中はいいとしても、世界には返したいものだ。あのとき、世界中からずいぶんよくしていただいた。



 よし、では私も願い事を短冊を書こう、と手に取ったら大当たり?! たまたまハート模様の短冊だった。




 S社長が撮った日和山の風景①。日和山公園の売店。いや、食堂? こういう建物のたたずまいがいいんだ、とおっしゃっていた。が、実は私この店が開いているところを見たことがない。日曜は空いているのだろうか。もし、閉店してしまったのなら、ぜひ復活してほしいものだ。





 S社長が撮った日和山の風景②。鹿嶋御児神社へ向かう階段。奥の細道の石碑と日和山の説明が書いてある。後ろの桜の木は日和山の標準木。桜の開花はこの木を見て判断する。



 がーこは今日も元気だ。写真は私が一番お世話になっているN氏と。ツーショットで。



 夜の鹿嶋御児神社。短冊が少し怖いような。雰囲気がある。


 こちらは日和山からの夜の海の景色。日和大橋と奥は太平洋。




 日和山の夜は不思議だ。まるで海から魂が立ち昇ってくるように。白い煙のような霧の風が鳥居の下の階段から立ち昇って来ては(鳥居を)通り過ぎていく。で、そのまま鹿嶋御児神社へ向かうのかと思うとそうではなくて、左手の日和山公園中心部へ流れていくのだ。あの例の社長が撮った標準木の方向である。



 煙(霧)が行き着く先にいるのがこのがちょうのがーこ。お前、海からの魂、知っているかい? なんて訊ねたくなる。




 火曜日。体操メンバーのS氏。地元の大手製鉄会社のOB。「写真?いいよ、(メディアはよく出ているから)今さらどうってことないよ」
 と明るい笑顔が頼もしい。



 社長と最年長の氏(見えない。。)は仲良くおしゃべり。




 隊長がやって来た。大きな声で挨拶しながらやって来た。よく並んで歩いて帰るT氏によると、ずっと誰かに話しかけながら歩くのだそうだ。「騒がしい人だから・・」。確かに騒がしい、じゃなくて、よく言えば明るい性格。

 そう言えば、体操メンバーは明るい方が多い。台風近付く石巻の天気も一蹴するようだ。






 こちらは久しぶりに船から戻って来た初期の体操メンバー。社長とツーショットで。


 副隊長が笑顔で登場。たいてい早めに来て、回りを一周している。



 日和山のにゃんこ。子猫が4匹生まれたそのお母さん。もっとお近付きになりたいのだが、なかなか友達になってくれないツンデレちゃん。残念ながらまだ、頭をなでなで、もできていない。カメラを向けるとたいていこんな感じ。




 最年長のお父さん。この日はがーこにタンポポをあげてくれた。


 タンポポ歴の長い隊長から、餌やりとがーこの歴史を伝授?されながら。




 子猫たちは車のフロント部分に隠れてまったり中。



 お母さん。もう少し笑顔お願いします。



 日和山に昇る30度の坂道の手前にある電波塔。おや、その前に何かプレハブが建ち始めた。



 永巌寺さんの松の新緑。写真はわかりづらいが、曇り空でも鮮やかな緑がまぶしいくらいだ。こちらも30度の坂の手前に建っている。



 日和山のふもとだが、どちらかというとお隣の羽黒山のふもとにあたる。お寺の墓地は羽黒山の斜面にならんでいるのだ。またこの永巌寺さんの横から羽黒山に登ると、北鰐山墓地という古い市営の墓地に突き当たる。その空き地は震災後、被災者を一時土葬する場所となっていたと言う。




 仕事を終えて戻って来ると、今朝のプレハブはもう完成していた。工事現場の現場事務所と言った感じ、この辺りの景観もこれからだいぶ変わるのだろう。





 南の空には月が。


 西の空はまだまだ明るい。残照が残っている。



 水曜日。この日は若いゲストが参加してくれた。新たな出会いは長く続きそうな予感がする。ちょっと嬉しい一日だった。





 こちらがいつもの日和山へと向かう30度の坂道。ちなみに、夜見るとこんな感じ↓(写真下)だ。



 奥に見えているこんもりしているのが羽黒山。桜の時期は、坂道をおりながら、羽黒山の墓地に咲く桜がきれいに見渡せる。それはそれは桃源郷のように美しく見えるものだ。

 羽黒山には震災のときに亡くなった方々が一時安置された場所があった。一時土葬された場所があった。最近それらを知って、私はあの春の桃源郷を思い浮かべて複雑な思いがしたものだ。こんなことを言っていいのかわからないが、だからあそこなのか、と言った想い。あの場所でよかったと言う安堵感。どうか安らかに眠られていますように。


 話が逸れてしまったが、嬉しい出会いとそれから七夕の続きである。


 社長は今日も短冊にお願いごと。


 メンバーのN氏と社長に撮っていただいた。


 


 「先輩に教えられました。坂には三つの坂がある。一つは登り坂。もう一つは下り坂。もう一つはマサカ(魔坂)」(日和山体操のメンバーS社長の短冊より)




 坂を人生と読むといいのだろう。



 体操の後、例の「騒がしい」、いや明るい隊長が、海を見ている少女に声をかけた。「これからガチョウにタンポポやるからおいで」

 で、「えっ、ガチョウですか」と素直に着いて来てくれたのが、福岡からやって来たボランティアの少女「ゆかちぃん」だ。(下の写真中央)




 笑顔いっぱいの明るい少女。太陽やひまわりを連想させられる。日和山体操のメンバーに負けてない明るさだ。






 ゆかちぃんは平日はボランティア活動に、土日はミュージカルの舞台の練習にいそしんでいるのだそうだ。彼女が所属するコモンビート(A COMMON BEAT)は九州から石巻を中心に復興ボランティア派遣を実施しているNPO法人。ミュージカルを使って、「個性が響き合う社会」を作る活動を続けているそうだ。残念ながら石巻公演が終わってしまったばかりだが、次の公演はぜひ見に行きたいと思う。

 写真下は公演のチラシ。テーマは個性は善か悪か。ということだと思う。個性を持ちながら、他と分かち合い、共鳴して生きていくことができるのか。
 
 興味深い話だ。石巻も震災の後、そしてこれから、たくさんんの風景が変わっていくと思う。地域文化としての個性を残しながら、新しい世界を作り上げて、人々と魂を共鳴していくのか。いつか糸井重里さんが言っていた、復興は作り直すだけではだめなんだ、壊れたものを直すだけではもうにっちもさっちもいかない。そこから新しい文化(付加価値)を創造していくこと。それこそが復興だと言うこと。A COMMON BEATを見て、そんな新しい石巻をぜひ探してみたいと思う。

 



 ・ミュージカル「A COMMON BEAT」作品紹介






 夜にまたゆかてぃんとばったり出会った。今度はミュージカル仲間三人とお出かけ途中だ。右の少女がまえば(前歯が可愛いので)ちゃん、左がなんと私と年の変わらないという(どう見ても青年にしか見えない)ヒデマロさん。






 石巻に来て、A COMMON BEATを演じることの意味を改めて感じたと言っていたゆかてぃん。石巻だからこそ意味があった。ストーリーに深い意味と希望がもたらされた。

 大好きなのは、地元の人たちとふれあうこと。時間を共有できること。お互いの「好きなこと」を理解し合って、心が触れ合える瞬間が嬉しい。そう笑顔で語っていた。

 「なかなか自分の好きなことって話してくれないんです。でも語り始めたときのその豹変ぶり。何とも言えないいい笑顔に、堰を切ったようにたくさん話してくれる、その様子がとても嬉しい」

 石巻ですてきな経験をたくさんされているようだ。仲間たちも楽しそう! 写真をありがとうございました。





 木曜日は雨のため一眼レフを持たずに(日和山に)出勤。子猫がだいぶ馴れて来てくれたのが嬉しい。お母さんはまだだが、子猫の方は触れるようになって来た!




 台風がお昼頃通過すると噂の金曜日。石巻ボランディアから地元へ帰る青年らを見送って、その後ゆかてぃんとNHKが取材中の日和山へ。

 「ミヤギテレビさんですか?」
 「いえ、NHKです」

 声をかけたら、誇らしげに答えてくれた。




 おちゃめなゆかてぃんと。
 テレビで見たことのあるレポーター(アナウンサー)さん。カメラマンさんもかっこよかった〜!

 どんなことを伝えるのか、ニュースを聞いているとありきたりと思えてうっかり聞き逃しそうな「伝え方」を、この日はじっくりと聴いてみた。

 日和山の木々が揺れている様。どちらの方角からどちらへ向かって風が吹いていること。海の様子。今の石巻の現状。
 震災の後、地盤が緩んでいる石巻。だから台風は、予断を許さない、と言うこと。

 ああ、そうだな。まだまだ予断を許さない石巻。私も一緒にがんばっていかなきゃなぁ。いつか私も誇らしげに、誰かに伝えられますように。



 いつもの定点スポットで。


 中継車。



 渋かった! リリー・フランキー似のカメラマンさん。



 台風が通過する前の石巻の海。




 今日も体操メンバーでがーこにタンポポ。ゆかてぃんも参加してくれてありがとう。





 そして、台風一過の日和山。


 がーこも快調! 

 今週のグルメレポは都合にお休み。大変申し訳ない、代わりに石巻のすてきなBERをご紹介。
 立町1丁目のTHE・BAR・Kさん。




 マスターの奥さんがデザインしたと言うこちらの看板が目印。



 飲めないので、甘いカクテルを頼んだら、ミント色のきれいなカクテルが出て来た。お酒のことはあまり詳しくないのだが、これはブルーダイキリというのかな? 口当たりよく、ミントの風味が豊かで、とても美味しく頂戴した。
 ちなみにミントはマスターの手作りなんだそう。肉厚の葉が美しい立派なミントだ。

 「長い間、日光と水かと思っていたんです。最近やっとわかりましたよ。植物(ハーブ)が豊かに育つ為に必要なのは、土だということに」


 思わずどきりとさせられたマスターの一言。私は記念にミントの葉を持ち帰ったほどだ。自分をローズマリーの育成に重ね合わせて考えることがよくあるのだった。愛情豊かに水を与えられることでもない。日の射す場所に置かれることでもない。成長するために本当に大切なものは、そうだ、土である。私はこれから、自分が豊かに根を張れるような土のことを第一に考えて、生きていこう。ふとそんな風に思った。



 ・THE・BAR・K
 
 THE・BAR・Kは9mの一枚板のカウンター、立ち並ぶお酒(洋酒)の瓶が特徴。落ち着いた雰囲気もいいが、店内の美しさも必見だ。

 



 そして最後の土曜日の朝。一難去ってまた一難。台風は去ったが今度は地震だ。大津波警報を受けて、日和山にはまた報道陣が。
 


カメラが4台並んでいた


 写真上、カメラが並ぶ日和山。散歩でよく会うお父さんが何やら独り言をいいながら歩いている。「ここが終わったら、おしまいだよ」

 ふと目が合った。ご挨拶をして、「大丈夫ですよね?」

 「ああ、ああ、当たり前さ。この土地が終わったら、日本はもうおしまいなんだから」

 良かったです、と笑顔で答えて。それ以上意味を訊ねなかった。笑顔でお分かれをして、これで、私の今週の石巻日記は終了とさせていただく。


 最後に、前々回の日記で石巻体操に参加してくれた若者たちから写真が届いたのでぜひご紹介したい。

 まずは太陽プロジェクトの青年たちから。




 隊長とがっつり握手! 


 これは私が撮った写真か。ちょっと暗くて悪かったなぁ。


 がーこ。檻の編み目模様も写さずきれいに撮って! (がーこよかったね)


 門脇小学校。


 石巻の海。


 




 石巻復興マルシェ。仮面ライダーのポーズが楽しい。

 
 

 
 ちなみに、彼ら主催での太陽祭りは、仮設渡波北部第一団地で、7月20日に開催される。残念ながら私は旅行のため行けなくなってしまったが、お近くの方、興味のある方はぜひ行かれてみてはいかがだろうか。(チラシによると)楽しそうな企画が目白押しだ!

 
 次は愛知から来た青年K氏。太陽プロジェクトの青年らと入れ違うように石巻にやって来た。気ままな一人旅の青年かと思っていたら、思わぬ志があって驚かされた。





 K氏は小さい頃、ほんの少しの間アメリカに住んでいた。その頃、お世話になった知人が、一緒に過ごしたのは僅かというにも関わらず、未だに誕生日等の節目節目に、アメリカからプレゼントを贈ってくれるという。その優しい行為に何かお返しをしたくて、日本を紹介するガイドブックのようなものを作って送ろうと思い立った。

 写真下はK氏が回った石巻と仙台の被災地の一部である。







 写真上は名取市閖上の閖上湊神社だ。復興祈願にふさわしいと言われている小さな高台(日和山)の神社である。閖上湊神社は震災で社殿をはじめとして、すべてを失った。
 日和山は現在では社殿を失った別々の神社の二社を祀っている。ちなみに元々日和山に鎮座していたのは、もう一つの富主姫神社なのだそう。

 ここでも小さなA COMMON BEATが・・







 写真上は名取市の日和山から見た景色だろうか。見事に何もない。

 これからたくさんの建物が建つのだろう。直すだけじゃない。新しい世界が、付加価値が、新たに築かれていくことを願って。

 そう、願わくば、石巻の文化と、新しい世界とが共鳴して、すばらしいA COMMON BEATが訪れますように。
 私たちは、見つけられますように。



 K氏に、写真のご提供をどうもありがとうございました。またたくさんの旅の写真、お待ちしています!


 では皆様、よい午後をお過ごしください。


 また次回会いましょう。