魹ヶ埼灯台で想定外のシン・ゴジラを回想する。【シン・ゴジラネタバレ感想】




シン・ゴジラを見た。





あれは、東日本大震災と福島第一原発事故をなぞって書かれている、そうだ。
現代に海から恐竜が現れる。まったく「想定外」の出来事が突然起こる。そもそもゴジラは原爆の子だ。歩く原子力発電所である。エネルギー源は核分裂で、武器は放射熱線。(このゴジラが逆ギレする放射熱線シーンが哀しく美しい)。
その想定外の事態になすすべもない日本政府。
ゴジライコール震災と原発事故。その想定外の事態になすすべもない日本政府。ゴジラvs.「日本政府」というお話。なるほど。

想定外の事態に、日本は武器も使えない。まったく法整備がされていない。会議一つするのも一苦労。民主主義と縦割り組織構造でガチガチ。まったく対処できない。事態を分析しようにも、専門家は推測で物を言えないので、ガチガチ政府に有効なアドバイスもできず。オタオタしまくるガチガチ日本政府。その間にどんどん町は破壊され、どんどん犠牲者は増えて、総理大臣さえあっけなく放射熱線にやられて死んでしまう。ボロ負けの日本政府。なるほど。現実と同じだ。

いや、いや、現実よりひどいじゃん。

つまり、シン・ゴジラとは、震災と原発事故(の対応)に勝った日本政府バージョンの震災レイクエム物語ですよ、と評論していた方がいらした(下ブログリンク参照、良い記事です)が、私から見たら、あれは過去の追憶(成功バージョンで溜飲を下げる)では終わっていないと思う。
http://anond.hatelabo.jp/touch/20160805000418
あれは未来に向けての仮説物語ではないか。こう言っているとしか思えない。想定外の事態は、これからもっとひどくなりますよ、震災では終わりませんよ。あなたたち、未来の想定外の事態にどう対応しますか? 「今の日本政府」では、永遠に勝てませんよ。そう突きつけられているとしか思えなかった。
で、最後の山場(ゴジラとの最終決戦)では主人公がこういうわけだ。涙ながらに。
「みんな!(この作戦では)命の保証はない。でも頼む、やってくれ!※」
死んでくれ!との命令に、よし!とばかりに、ガンガン特攻していく自衛隊。そして作戦に協力しくれた人情家のアメリカ兵たち。両者がまたど派手に死んでいく。
またその様がカッコイイわけ。(作戦は多少おマヌケだけど)兵器も兵士もイケてるわけ。

※実際のセリフとは若干違うかも。

うーん。

つまりシン・ゴジラとは、こんな映画。
法整備しますか。死んでくれますか?
それなら未来の「震災」と「原発事故」から日本は救えますよ。
もう、あんな目に会うのは、あなたも嫌でしょう?
それに、兵器も兵隊も、ほら、意外とかっこいいでしょう?
(自衛隊員の志願者が増えそう・・)

過去のゴジラは核反対!から生まれた物語だと思っていたけれど、シン・ゴジラは真逆。ラストでは、覚悟を決めて、核と共存して生きる日本の姿が描かれている。それも政治的。
これが人気映画って、日本って随分右傾化してるんだなぁ、というのが率直な感想だった。よく中国とか韓国とか騒がないな、と。

ところが、月日が経ってみると(映画を見たのは1ヶ月ほど前)、あれは庵野さんなりのメッセージだったんじゃないか、と思えてきた。私は思い違いをしていたのだ。あれは政治映画なんかではなく、むしろ真逆ではないか、と。

魹ヶ埼(宮古市本州最東端のトドヶ崎灯台)に行ったことなど思い出したりして。海保の方が言っていた。警察官25万人に対して、海を守る海上保安官は1万2千人。(しかも実際に動けるのは約半数だそうだ)
随分平和ボケしているものだなぁ。
しかも、今の日本では自衛隊も動けない。確かに。今、海からゴジラが来たら、何もできない、震災同様、また一瞬で負けるだろう。だから、法整備をして軍隊を・・とか言いたいわけではなくて。そう、シン・ゴジラという映画の物語で、最後にゴジラを倒した(核をコントロールした)のは「未来の日本政府」ではなかったのだ。

それは、組織から落ちこぼれた「蛇の道は蛇」みたいな面々でなのである。落ちこぼれ集団が最後に日本を救ったのだ。それから、アメリカの人情に助けられて。(出世を棒に振った次期米大統領候補の高官の娘がでてくる)ゴジラ対日本政府で日本がボロ負けして、ゴジラ対落ちこぼれ集団とその協力者とで、想定外の戦いに勝つわけである。

民主主義と縦割り組織の構造でガチガチに縛られた今の日本では国も国民も守れない。だが、あなたならできる、と。他国の協力者がいればもっとできる、と。
これは例えば国だけの話ではなくて。完全落ちこぼれ組の私である。組織(会社)に守られる経験の少なかった私は、そういった「実行部隊」になることが多かった。おそらく、今の日本にはそういった「実行部隊的」落ちこぼれの方のほうが圧倒的に多いことだろう。これから日本(会社や組織)を守り、新しい未来を作るのはあなたたちとその仲間たちである、と。そう言いたい庵野監督と、その思いを受け止めた人たちがシン・ゴジラを賞賛しているならば、日本の行く末はそうまんざら捨てたものではない。


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で、魹ヶ埼灯台である。

魹ヶ埼灯台の話は以前にも書いた。

またしても、灯台の一般公開の日に行ってきたというわけである。今回も常連の佐々木さんに会えた。魹ヶ埼を管理している清水さんにも会えた!(感動)
それから海保の人たちに、展示コーナーの女性の方(女性も保安官?)。みなさん優しくて、ためになる海を守るお話をたくさん聞かせてくれた。どうもありがとうございました。

そして、落ちこぼれの仲間たちか?!(失礼)台湾と香港から本州の最東端を目指してやってきた女性四人組と出会い、楽しく会話をすることができた。
彼女たちは、前回の日本旅行で、本州最南端の和歌山を一緒に訪れた仲間たちだそうだ。明日は最北端の青森を目指すとのことだった。それから、来月いい夫婦の日に籍を入れるというお二人!宮城と岩手の遠距離恋愛(になる?)を実らせた幸せそうな若い彼らもやはり最東端を目指して魹ヶ埼にやってきたのだそうだ。
すごいぞ、魹ヶ埼!結構有名。お隣に住んでいる私も嬉しい。





皆様ありがとうございました。



 ゴジラの逆ギレシーン、夜の東京で放射熱線を吐きまくるシーンは必見です。



テーマ曲もいいなぁ。。


そうそう、君の名は。も見ました。次回あたり感想書きます!




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