楽園日本のクラウドファンディングによる勝利 〜氷上郷金山と、山師・高橋是清のミラクル伝説〜





 共謀罪の合意と、慰安婦合意の支持をG7の場で取り付けたらしい。
 安倍首相のやり手(策士)ぶりに安心。
 共謀罪については、まだ一抹の不安があるが、国連から横やりが入った後での今回の支持である。そうそう酷いことはできないだろう。
 伊勢雅臣氏のTwitterによれば、『欧米先進国にはこうした「共謀罪」が既にあり、犯罪の摘発に威力を発揮している。』  そうだ。先進国はみんな共謀罪があるのに、G7メンバーの日本にだけ待ったがかかった、まさかワシントン海軍軍縮条約の時のように、列強よりも自国防衛の規模を減らせ、といやがらせ?をされたのか、(ワシントン・・では、日本は自国防衛のための戦艦保有数を少なくされた)などと勘ぐったが、やはり犯罪対象が316(277)という広範囲におよぶところがまずかった。質問状にそう理由が書いてある。だから勧告を受け、その後にあらためて賛同を得たのだから、国連は316の犯罪対象に及ぶことも承知しているわけだ。ならば国連の暗黙の監視付きだから、316の犯罪に対して、そうそう広範の解釈を利用して、(テロではなく国民に対して)酷いことはできないはず。多少は安心というものである。

 それにしても、そもそもなぜ黄色人種で日本だけがG7にいるのか、韓国が悔しがっているというニュースを見たが、謎だ。日本だけが植民地にされず、列強国の一員になれた。一番の原因は、黄色人種と白人の戦争、日露戦争(明治37〜38年)に史上初の勝利を得たことだと言われている。あの勝利(もしくは引き分け、白人に負けなかったということ)が転機だった。そして、なぜ日本が当時最強の軍備を誇っていたロシアに負けなかったのか? 

 「それは日本が楽園だったからです」

 というと、みな首をかしげると思うが、これは事実なのである。仙台藩出身で、当時日銀副総裁だった「高橋是清」がそう欧米に信じ込ませたのである。
 強いだけでは勝てなかった。日本は戦争の資金がまるでなかった。借金から始めた戦争である。おかげで終盤には弾丸(武器・弾薬)も底をつき、好機を見失うことも多かったそうだ。戦争が長引けば負けていた。ところが、周りの列強が日本に協力(支持)して、負けさせなかった。G7の安倍首相が取り付けた支持とは少し違う。バラマキではなくて、逆にお金を出させたからである。今でいうクラウドファンディング、欧米諸国を巻き込んで日本の勝利に賭けさせたのだ。とんだ山師である。
 思い出すのは、こんな懐メロだ。「ミラクル伝説〜ジパング」(※)。

 (※)のちにジパングと改題


 この世の楽園、黄金の国、ジパングに行きなさい。
 もし、あなたが未来を望むなら、驚異の国、ジパングを見つけなさい。
 私を信じなさい。日本を信じなさい。
 あなたが日本にたどり着いたならば、
 そのときこそ、奇跡が訪れる。
 幸せが、心に、蘇る。





 ほとんど宗教である。もしくは、日本教の山師だ。

 この曲は言うまでもないが、マルコ・ポーロの「東方見聞録」に書かれた「黄金の島」という記事をモチーフにしている。そして、黄金の島に書かれたジパングの舞台は、東北岩手県の平泉の黄金文化を書き表したと言われている。日本を訪れた中国人が平泉の話を本国に伝え、それが噂となり、元の王朝に仕えていたマルコ・ポーロの耳に入った。ちなみに、平泉の黄金文化の他に、広大な大地の稲穂が風に揺れキラキラ輝くさまが、まるで黄金に見えた、という説もある。マルコ・ポーロ以来、日本では「黄金の国ジパング」がイメージとして確立し、その後、何度も、山師たちに活用されることになるのである。

 山師というのは、ペテン師のことである。そして、山を歩き回り、(金などの)鉱脈を見つける人のことをいう。それから、冒険家のことも山師という。希少価値の金塊(人生における何かしらの財産)を見つける冒険(人生の賭け)というものは、やはりペテンまがいの話から始まったということなのだろう。

 ピンクレディというアバターを使って、人知れず大衆にペテンをかけた阿久悠。彼が言う「信じなさい」は、マルコ・ポーロ伝説をアナロジーにして、その後繰り返し行われた日本復活の神話(=山師の健闘)を暗示したものである。日本復活には、山師が欠かせない。阿久悠はそれを知っていたのだ。アイドルを使って日本(とすべての人々)を応援し、彼ら(山師たち)の華麗なる歴史を再現させたかったのである。現代のアイドルに歌わせた日本の応援歌とは一線を画している。(現代の応援歌は山師っぶりはゼロ。メタファーの言葉が真摯で真面目すぎる。自分や現代人すべてを目の当たりにするようで、切なくなってしまう。山師になれ。もっと山を歩き回れ、と伝えたい)

 ここまで読んで、山師ってなによ? と疑問に思われるかもしれない。例を挙げると、歴史的に一番有名な山師が前述の、高橋是清だ。「平民宰相二世(どんなに偉くても爵位を辞退する人をいう)」をうたった、岩手県の政治家(日露戦争時は日本銀行副総裁)である。
 高橋是清は外債を集めて、列強を巻き込み、日露戦争に勝った。
 そもそも日本が勝つ予定ではなかった。白人に黄色人種が勝てるはずがなかった。誰も勝つ見込みのない国に金など出さない。外債など買っても、どぶに捨てるはめになる。ところが高橋是清はジパング伝説を掲げて、列強諸国からからお金を巻き上げた(クラウドファンディングした)のである。




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 アメリカ、イギリス、そして後にはドイツも、日本の外債募集に応じましたが、4回にわたる外債の総額は、日本円で8億円にも達しました。日露戦争の戦費は17億4千万といわれてますので、その半分に近い額を外国から借りて、これに充てたのでした。考えてみれば、実に危うい、綱渡りのような戦争をしたものだと思います。日本が軍隊として百万近い兵を動員しました。それを支える軍需品の消耗は大変な量に上がり、まさに「日本の国力」超えるものであったと言えます。(※太字筆者)
 国内では「非常時特別税」として、各種のさまざまな増税をし、それに4億8千万円の国内債の負担を国民に求めたのです。
 かく考えてみると、外債8億円を達成できたことは大変なことでした。アメリカ、イギリスも、おそらく日本が勝てるわけはないと思っていたのでしょう。少なくとも開戦当初はそう考えていたことは間違いありません。
 ですから、日本から高橋是清が来て「どうか日本の債権を買ってほしい」と頭を下げたとしても、そう簡単に応ずるわけにはいきせん。負ける国の債権を買うことは、お札をどぶに捨てるようなものでしょう。
 それはとにかく、何とか説き伏せて契約を成立させたのですから、高橋是清という人物は、大した政治家であったというべきでしょう。
 その当時、アメリカでもイギリスでも、高橋是清が訪れると「そら、日本の借金大使が来た!」と言って、政財界のいずれからも敬遠されたと言われます。借金大使というあだ名はまさにそのものズバリです。言い得て妙なるあだ名と申すべきでしょう。
 (気仙風土記第5集 金野静一著より抜粋)
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 4回にわたる日露戦争の外債の総額は8億円。日清戦争の7倍にも及んだ17億4千万という戦費の半分近い額を外債でかき集めた。はじめは誰も見向きもしなかった。是清は借金大使と笑い者になっていた。が、外債募集のため何度目かにアメリカを訪れた際、彼はセントルイス市で開かれていた国際博覧会に金塊を出品したのである。日本で採れたという600匁の鉱石の中には、500匁(一匁は3.75グラム)の金が含まれていた。見物人は度肝をぬかし、現地の新聞では特ダネの形で報道された。その日本産の金塊には名前が付けられた。それが、「モンスター(化け物)」というのである。


 

 
 モンスター出品の後、明治37年8月に農商務省は気仙郡区域の金山を大蔵省所属の金鉱区域と告知した。金脈報道は岩手日報一面をかざり、民間業者は事業を封鎖された。農商務省は工学博士に実地調査を依頼して、調査の結果、気仙郡の該金坑は総採掘額10億円以上と報じられた。これにより、鉱山局から技師が派遣され、気仙郡は本格調査に乗り出すのである。

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 ロシアは、当時世界一の陸軍局を自負していましたので、小国日本などに少しも頭を低くしようとは、思いもよらなかったところでした。
 これに対し、日本は戦場での戦いはともかく、物資の戦いや経済戦では、文字通り「青息吐息」の状態でした。外債は、ひと頃よりは集められたもののまだまだの状況でした。
 そこで、日本国内の金鉱区に関する「金山記事」は、いよいよ活発になりました。明治37年の後半は、岩手日報の例を見てもほとんど、2、3日おきと言っていいほど頻繁に、それに関する記事が出ております。冷静にそれらの記事を見ると、まるで何かに「憑かれた」ような感じさえ、するほどです。
 (気仙風土記第5集 金野静一著より抜粋)
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 明治37年9月、農商務省鉱山局より、気仙郡下の氷上山山塊などの鉱山が7箇所指定される。政府の依頼を受けた東京帝国大学の渡辺博士は、何度か気仙を訪れて探査、精査を重ね、ついに37年10月、7つのそれら鉱山の金の埋蔵量が40億以上であると世間が噂するようになった頃、こう報告するのである。

 「(わが日本は)現今の位置はほとんど金産国と認められておらず、地中に無限の富を埋蔵しながら、これを世界の表面に示すことなく、いたずらに他国の差額をうらやんで、偏にその供給を待つの愚をなすものにして、眞に遺憾の次第と言うべし」

 大蔵省は神州日本には、まだ眠っている金鉱が多大にあるのだ、という「事実」を内外に大きく宣伝した。ミラクル伝説ジパングを広報した。日本人は勝利を信じ、国債を買い、そして、日銀の高橋是清は、この間に4回の外貨募集に成功する。二度目、三度目、と回を重ねるごとに年利は引き下げられ、そして担保の質も落ちた。それでも、回を重ねるごとに、多額の外債が売れ、4回目に至っては、アメリカイギリスの他にドイツまで外債に飛びつく事態となる。彼らは日本を負けさせるわけにはいかなくなった。不良債権はごめんである。金塊をロシアに取られては困る。これら外債の交渉は全て高橋是清が当たったのだった。
 そもそも高橋是清は、才能に恵まれながら若い一時期身を持ち崩した。世間の評判は悪く、日銀に雇われた時は「あんな山師が日本銀行で働くのか」と罵られた人物であった。芸者に入れ込み教職をクビになり、ペルーの農地開拓に失敗し、莫大な借金と汚名を背負った人物なのである。その山師が、山師であることを利用(活用)して、山師によって日本を救った。うん、すごい。まさに、アナと雪の女王のエルサだ。(※)

 (※人間社会では欠点や障害と認定されるある種の才能を生かして大衆を救う異端児をいう 記事参照 少しも寒くないわ。〜アナと雪の女王感想と春なので霞露嶽に登ってきました〜


 山師の阿久悠がいなかったら、ピンクレディの名曲は生まれなかった。高橋是清が山師ではなかったら、日本は日露戦争に負け、植民地にされていた。山師が日本を救った、と言っても過言ではないと思う。
 高橋是清が入れ込んだ岩手県氷上郷の金塊(黄金伝説)と、高橋是清の汚名である「山師であること」が、国内外に夢と希望を与え、列強をクラウドファンディングし、外債を集め、日本を列強入りさせて、先進国の日本を生み出し、そして今日、G7で安倍首相が、韓国を悔しがらせているのである。


 「なんで安倍首相がG7の席にいるんだ!」

 再度歌いたいですね。(歌詞そのものではありませんが)韓国の反日の方々に向けてもぜひ。
 

 この世の楽園、黄金の国、ジパングに行きなさい。
 もし、あなたが未来を望むなら、驚異の国、ジパングをその目で見つけなさい。
 私を信じなさい。日本を信じなさい。
 あなたの心が、もし日本にたどり着いたならば、
 そのときこそ、奇跡が訪れる。
 幸せが、蘇る。

 
 ちなみに、気仙地方の金山だが、その埋蔵量の数々の調査報告は、同書(気仙風土記)によると、限りなく政治的であったそうだ。当時、岩手県は砂金の一番の産出地ではあったものの、氷上郷に埋蔵されている金鉱については平泉藤原氏の時代以降実績がない。また金塊「モンスター」がどこで採れたか、本当に気仙の金山だったのかも怪しいそうである。(これは是清の岩手好きの思い入れから始まったそうだ)民間の資力のある鉱業家は気仙の地元に存在しなかった。なぜならば、金山衰亡は既成事実だったからである。金掘り人は口々に口ずさんだ、「高田今泉泣いて通るカラス、銭も持たねぁでカアカアと」。江戸時代における最後の黄金伝説でさえ、すでに伝承上のものとなっていたのである。(気仙風土記第4集より)

 この事実を知って、あらためて是清の仕事を思うと、ため息が出る。氷上郷の金山と彼が日本を救ってくれたことに感謝したい。






 次回はこの是清が山師として活躍したその黄金伝説の舞台の旅をご報告したいと思う。ゴールデンウィークに、ほんの束の間の旅ではあるが、岩手を訪れた。気仙地方(かつての一番の産金地)に、平泉の中尊寺(世界遺産の金色堂)、そして宮城県石巻市の金華山(初の産金地という説がある)、と黄金の島巡りの旅をしてきたのである。金華山は今回初めて灯台から東に横断して南下、という半周コースで巡ってきた。そのご報告もしたいと思う。


陸前高田の高田大隈つどいの丘商店街のOnikuyaさんというお好み焼き屋さんに行った


onikuya

 とても美味しいお好み焼き(焼きそば入り)?オムライスでした。
 ありがとうございました。



 最後に。日本は韓国に嘘をつかれて、日本の文化の歴史を奪われそうになっている。(下のケントデリカット氏のリンク参照)もっと日本も山師として「事実を広めて」もいいのではないかと思う。
 もう一度帝大渡辺博士の報告を・・

「(わが日本は)現今の位置はほとんど金産国と認められておらず、地中に無限の富を埋蔵しながら、これを世界の表面に示すことなく、いたずらに他国の差額をうらやんで、偏にその供給を待つの愚をなすものにして、眞に遺憾の次第と言うべし」